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HACCP(ハセップ、ハサップ)
2012/05/07配信
◇ HACCP(ハセップ、ハサップ)
今月は金環日食が大注目ですね。
そこで宇宙と関係のあるHACCPを取り上げたいと思います。
あまりなじみのない言葉だと思います。
HACCPとは、アポロ計画の宇宙食開発で、
宇宙飛行士が食中毒に遭わないように考えられました。
原料、受入、保管、調理、流通など各工程ごとに細かく分析し、
最終的に店頭に並び、私たちの口に入る直前において
「科学的に安全」といえるように考え出されたシステムです。
抜き取り検査で安全なものとは、「抜き取ったものだけは安全」
といえるかもしれません。
しかし、抜き取られなかった、今、口にした商品は、たまたま
【温度のムラがあり、菌が残っていた】
ということが起こらないとも限りません。
このようなことを防ぎ、全部どれを検査しても温度のムラはなく、
「確実に指定した温度で調理されている」
「適切に管理された温度で届けられ、保管されている」
というのがHACCPのシステムです。
そう、宇宙飛行士が、病院のない宇宙で食中毒に遭わないよう、
「どの宇宙食を食べても安全」なように。
では、菌を無くすだけの目的で温度を高くすると・・・
例えば、牛肉に食中毒菌がいます。この食中毒菌をやっつけるには、
85℃15秒以上で死滅させることができます。
300℃で15秒焼くと、菌は死滅します。しかし肉は、まる焦げです。
一方では90℃20秒では、ジューシーでおいしく仕上がります。
しかも菌は死滅しています。
どちらが食べたいでしょうか?もちろんおいしい方ですよね。
食品を提供する側は、安全性だけでなく、味や見た目などの品質も考えます。
調理の過程で試行錯誤をして、【安全で品質の良いもの】が、
私たちの口にする商品とります。
このように品質や安全性を管理した会社やお店だけになれば、
食中毒事件が起こらないのですが・・・
※HACCPを取り入れている企業もたくさんありますが、
導入していない=不衛生ということではありません。
食品衛生法に基づいているはずですが、衛生管理の手法として
HACCPを導入している企業も多いです。